2005年に都内で初めて中高一貫の白鷗高校附属中学が誕生し、以来現在までに都立中学は11校あります。まだ歴史は浅いもののその人気は不動です。それまでは、中学受験と言えば、私立の中高一貫校を指すものが大半でした。しかし学費を抑えながら中高6年間の一貫教育を通じて質の高い教育を受けられる都立中高一貫校ができたことで、受験者の層も変化し、都立中学を目指す家庭が増加しています。
そのため入試形態も大きく変化しました。出願数は横ばいですが高校募集を停止する学校もあり、今後さらに変化していくと思われます。都立中学では、六年間の一貫教育で授業が効率良く進み余裕を持って大学入試に備えられること、部活動や習い事を続けられること、公立でありながら多様なカリキュラムを経験できる点も魅力です。またなんと言っても私立と比べ六年間でかかる学費の差は2倍以上になるとも言われ、大きなメリットです。
中学受験に備え塾を検討される方も多いと思います。都立中学では「適性検査」や「作文」によって合格者が選抜されます。適性検査は複数教科の知識を活用して論理的に考える力や表現力が求められ、解答の多くは記述式です。そのため偏りのない基礎学力と専用の受験対策が必須です。
また、私立中とは異なり、小学校の先生が作成する「報告書」も合否を決める判断材料となります。これは内申書のようなもので、その中身は各教科の成績に加え学校生活での特別活動や出欠などが記載されます。このように、これまで受験と言えばその主流だった私立中学とは異なる対策が必要なため、検討対象の塾の指導実績や合格実績などを良く確認し、学習塾を選ぶ際には慎重に検討する必要がありそうです。